ぴー子の両親へカミングアウト②〜両親からの言葉〜

カミングアウト

こんばんは。おひさしぶりです。

前回から間が空いてしましましたが、前回に続いて、私の両親におさるの性別についてカミングアウトをした時のことを思い出しながら綴っていきます。

前回の内容はこちらからどうぞ。

今回は、カミングアウトをした直後のこと。


母親の反応

私の両親、おさる、私の4人で沈黙がつづきます・・・。

そこで口をひらいたのは、母。

母

なんで今まで黙っていたの?前に会ったときだって黙ってたじゃん。隠し通そうと思ってたわけ?

私たちが海外で暮らしていた当時、私の家族がその国まで旅行で来てくれたことがありました。そのときにおさるを紹介したのですが、母はその時のことを言っていました。

でもその時にカミングアウトは絶対したくありませんでした。まさか初対面でカミングアウトをするなんてことは考えていなかったし、せっかくの海外旅行を最後まで楽しんでほしかったからです。

私たちは、

①必ずおさるの口から、直接カミングアウトをすること。

②帰国後すぐにカミングアウトすること。

の2点を前々から決めていたので、せめてもの誠意として、日本帰国後1週間以内でカミングアウトをしに来ました。

ですがそれでも、私たちなりの誠意が伝わっていなく、とても残念でした。

そしてしばらくすると母、

母

じゃあぴー子は、子どもを作れないじゃん。

母は、孫を心待ちにしていました。なので予想していたとおり、子どもの話題が上がりました。

そこで、おさると私で、おさるの兄から精子提供を受ける予定で話を進めていることを伝えました。

すると

母

それじゃぴー子の子ではあるけど、おさるさんの甥や姪にあたる子?え?複雑―。わざわざそんな複雑な親族になるのはちょっと・・・。こんなこと親戚に伝えられないし。

今回の私たちの目的は、『おさるの性別についてカミングアウトすること』。結婚を前提にお付き合いをしていることももちろん伝えましたが、母の頭のなかではもう『娘の将来のこと、子ども(孫)のこと、体裁のこと』にまで広がっていっていました。

父親の反応

一方、父は、

父

海外で、日本人が周りにいない中で一緒に過ごしていたらそりゃ好きにもなるかもしれないけど、日本に帰ってきて日本人の中で過ごせば、その気持ちが変わるかもしれない。

ましてやお前たち2人はそれぞれ遠方に暮らしているわけだから、コロナも広がってきているなか、今までのように会うことはできない。

まずは日本の社会に復帰して、仕事に専念しなさい。

父は、やんわりと『その気持ちは錯覚だから。時間と共に消滅するから。目を覚ませ。』と言ってきているようでした。

私はもう涙涙涙。

となりで座っているおさるは、両親に見えないところで拳をギュッと握りしめていて、怒りや悲しみを押し殺しているように見えました。

おさるを性転換した人、としか見ていない雰囲気

そして続けて父、

父

これまで女子サッカーに携わってきて、性転換した教え子も大勢いるけど、それとこれとは別。

まさかうちの娘がそういう人と結婚するということは考えられない。

ちょっとなあ・・・。

ここで、父は性転換をしてきた方たちのことを理解しているわけではなく、「他人事」としてかかわっていたのだとわかりました。

もしかしたら、この世の中で大勢の人々がそうかもしれません。実際に私もおさると出会うまでは、正直まるで「他人事」だったので。

それでも、おさるのことを一人の人間として見るのではなく、彼の事を「性同一性障害者」として見ているのがわかり、とても悲しくて、私はまた涙涙涙

父が、おさるの体格をジロジロと見ている様子も、すごく不快に感じました。

そして追い打ちのように母が、

母

お付き合いする前にぴー子はそのこと知ってたの?

私は、カミングアウトされるまで知らなかったこと、それを受けておさるという人間を一人の男性として好きになって付き合ったことを伝えました。

すると母、

母

っえー?考えられない・・・

考えられないって。おさるのことを全否定している発言に聞こえました。

また、

母

なんとなく、そうだと思ってたんだよね。

あんだけ昔から子供は3人産みたいとか言っていたぴー子が、最近は子供は授かれたらいいなぁ的なことしか言わなくなったし。

母

それに、おさるさんの体格も小柄だし・・・。

以前、手を見たときに、あれ?と思ったことがあったんだよ。

やっぱりね・・・

私は母のことを、ましてやおさるの目の前で、そのような発言をする人だと思っていませんでした。

ひどい。ひどすぎる。やっぱりね、って何・・・?

悔しくて寂しくて悲しくて、、私はこのとき泣いてしかいませんでした。

おさるはそれでも、「こんな自分でも、ぴー子さんは自分の事を好きになってくれました。」と私に感謝してくれていることや、「教員として一人前を目指して一人の人間としても誇れる自分になりたい。」等、これからも両親に認めてもらえるような人間になれるよう精進する意思を一生懸命、何度も伝えてくれていました。

(ありがとう。おさる!だいすきだよ!)

この日は結婚の承諾ではなく、あくまでおさるの性別について伝えるために来たことを改めて伝えました。

そして、結果的に両親の期待を破ってしまい、驚かせてしまったこと(彼らはてっきり今日、結婚話をしに来たとばかり思っていたから)を謝罪して、二人で家を出ました。

カミングアウトするにあたり…今だから思うこと

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